2011年の野外実習は,東日本大震災に関連するテーマを設定して実施しました.小生が関わったグループでは,福島県会津地域における野菜,および原乳に関する被害実態を明らかにすることです.この地域で起きている被害は,これから野菜や果物の出荷時期を迎えるに当たりより深刻になることが推察されました. 当該地域の被害は,風評によるものがほとんどで,放射性物質の検出によるものはほとんどないことが判明しました.むしろ,2010年12月25日の豪雪や,その後の低温における雪解けの遅れによる作付け・播種の遅れが当該地域の農業に影響を与えていることも判明しました.放射性物質が大気中に著しい量放出された時,会津地域はまだ雪深く,ハウス栽培で一部の農家がイチゴやアスパラガス等を作付けしていたに過ぎません.もっとも,豪雪ですでに10/11農家が被害を受けていたため,イチゴの出荷が困難であったことも想定されます. 現在,出荷制限解除や雪解けの遅れにより漸く市場に会津産の野菜が出回り始めたものの,関東の市場だけでなく地場の市場でも「福島」の名前を冠するだけで,取引を手控えられることが頻発しているようです.その背後には,極めて少ない数ではあるものの,福島県産の野菜をなぜ販売するのかという消費者の問い合わせ(要望・クレーム)に,小売店側がやむを得ず対応した結果であると判明しました.事実,会津地域のA~C店舗では,ほとんどの地場野菜に対して,他県産が併売される措置がなされ,仕入れ担当者(バイヤー)はその事実関係を認めました. 帰仙後,定量的データを入手次第,この被害を生み出す構造について議論する機会を改めて設けようと考えますが,取り急ぎ,写真にて事実を速報の形でお知らせしたいと思います. 本調査は,原乳についても写真による報告を予定しています.近日中に更新予定. 【2011/06/29更新】 以下が原乳についての写真速報です. 会津地域における原乳被害は次の二点です:
会津の原乳は,先に紹介した野菜と同様,放射性物質による汚染がほとんどないにもかかわらず,未だに(中通りではむしろこれからよりひどく)風評による取引の手控えが発生している.この現実について,草の根で是非シェアし,正確な情報に基づく行動を消費者に訴えたい. |
Recent news! >